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ホーム > 47. オオヒシクイは頑固(がんこ)な鳥だといわれますが、どんなところが頑固(がんこ)なのですか。前 - 次

 渡りのコースや越冬地(えっとうち)する場所を、限界に達するまで簡単には変えません。更にそれを先祖から引継ぎ、また自分の子供達にも伝えていきます。この習性を Traditional attachment (伝統的固執)と呼んでいます。

オオヒシクイ

渡りの経路
(渡りの経路)

★★ 解説 ★★
 現在日本各地にあるオオヒシクイの中継地や越冬地(えっとうち)の環境を見ると、河川や湖沼などの自然環境から、牧草地・水田・ダム湖などの人工的な環境まで、多種多様な場所を利用している点に気付きます。そして本来好む湿った環境だけでなく、かなり乾いた畑地にも進出していることに驚きます。これを、オオヒシクイは柔軟性に富む鳥とみるか、それほど生活に切羽詰まっていると解釈(かいしゃく)するかは、意見が分かれるところです。利用している環境や食べものから見ると、あまり頑固(がんこ)そうには思えません。
 しかし、オオヒシクイが利用している場所そのものは、たとえ水田や畑に変わっても、かなり前から続けて飛来していた所と思われます。また、春の渡りの時期に短期間立ち寄る場所も、昔の資料を調べると沼や湿地だったりします。こうしたオオヒシクイの習性からすると、水田という人為的(じんいてき)な環境は、以前とは大きく異なっても引き続き利用可能な場所としてとても大切です。しかし、それが宅地や工場に突然(とつぜん)変わったり、人や交通の往来があまりに頻繁(ひんぱん)ですと、途端(とたん)に来なくなってしまいます。一度飛来が途絶えると、そう容易には復活しないので、この点特に注意が必要です。
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