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ホーム > 40. オオヒシクイは夜何をしていますか。また、夜でも目が見えるのですか。前 - 次

 夜間は首を伸ばして周囲の警戒にあたる個体が多くなります。その次に、首を後ろに曲げ嘴を肩羽の中に埋めて寝ている「背眠」の姿勢が目立ちます。「背眠」といっても一分間に数回目を開け、周囲の様子を覗っています。夜でも目はよく利きます。

首を伸ばして

ナイトスコープで撮影
(ナイトスコープで撮影)

★★ 解説 ★★
 昼間働いて夜寝るのが極一般的な人間の生活です。そして夜はぐっすりと深い眠りに入ります。しかしオオヒシクイの場合は、人間と大きく異なります。
 まず、マコモやヒシの実が得られる、オオヒシクイが好む本来の豊な自然環境のところでは、夜間でもかなり熱心に採食します。キツネや野良犬などに襲われ易い夜間は昼間よりも厳重な警戒が必要で、どうせ起きているのなら採食しているほうが無駄を省けます。そして逆に比較的安全な昼に休息や背眠をします。このような行動パターンが見られるところでは、オオヒシクイはたいてい狭い範囲に終日留まり、外へはあまり出ていきません。
 逆に人工的な環境(ダム湖など)や植生が貧弱な場所をねぐらに利用し、昼間周りの田んぼに採食に出るような条件のもとでは、夜間に警戒・背眠・休息をとるものが目立ちます。背眠の姿勢はとっていても、実際には頻繁に片目を開けて周囲の様子を見ているので、人間のように熟睡はしていないと思います。
 鳥の目は読んで字の如く「鳥目」で、夜間は目が利かないと思われているようです。しかし、光の強弱を感じる細胞が発達していてかなり暗くても物は見えます。また人間が感知できる可視光線以外の光も感じ取ることができるので、人の目では真っ暗でもガンには外部の動きが分かります。しかし色については、人間ほどは識別できないそうです。色を見分けているとする研究者もいますが、それは実際の色が分かるのではなく、光の反射率によって明るさで区別しているのだと考えられ、詳しくは分かっていません。
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