Name
ホーム 食べ物 渡り 子育て 飛行 行動・生態 連絡先 リンク サイトマップ 検索
ホーム > 35. 羽はいつ生え揃(そろ)うのですか。前 - 次

 ヒナでは生まれた時,すでに幼綿羽という羽に全身包まれています。体全体が成鳥と同じ羽に揃(そろ)うのは、孵化(ふか)してから約一ヶ月後です。親の翼の羽が再び生えて飛べるようになるのは、抜けてからおよそ三週間後です。翼の羽はヒナも親もほぼ同じ時期に生え揃(そろ)い、一緒に飛べるようになります。

羽

羽2

★★ 解説 ★★
 生まれたばかりのときは、綿羽に包まれ黄色い毛玉にしか見えません。次第に首と嘴(くちばし)の長さが伸びてきます。一週間から十日経つと、綿羽の色が少し茶褐色味を帯びて見え、顔もだいぶガンらしくキリッとなります。しかしまだ正羽は現れません。やがて、綿羽を押し出すかのように、同じところから正羽のもとになる羽軸の鞘(さや)が現れます。はじめに出てくるのが、尾・肩・脇の部分です。伸びはじめの鞘(さや)は、先が細くとがったロウソクのような形で、水色をしています。中には血が通っていて、体から必要なタンパク質が運ばれてきます。先端が割れると、短いブラシの毛のように羽が出てきます。羽は先の部分が最初に現れ、鞘(さや)の部分が短くなるにつれ、羽の下の方の部分が広がっていきます。鞘(さや)が現れ始めてから羽が完全に伸びるまで、翼の風切羽ではおおよそ三週間かかります。尾羽が鞘(さや)から伸びる間、上尾筒・下尾筒・翼の体に近い部分の羽・首まわりの正羽が揃(そろ)いだします。このとき風切羽は鞘(さや)の状態でどんどん伸びますが、まだ先端から羽はみえていません。風切羽が伸びるのは一番遅くまで時間がかかります。しかし、風切羽が全体の長さの4/5ぐらいまで伸びれば、ガンは飛べるようになります。風切羽がほぼ伸びても、首の後ろの方と頭の上には少し綿羽が残り、なんとなく幼さが感じられます。
Copyright 2005 Toshio Ikeuchi. All rights reserved.

Top][ホーム

前 - 次