一回つがい関係を結ぶと、どちらか片方が死ぬまで一生続くといわれています。それはハクチョウの仲間も同じです。一方、同じ科に属していながら、カモの仲間は毎年結婚の相手を変えるのが、ガンやハクチョウとの大きな違いです。
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★★ 解説 ★★
平均寿命(じゅみょう)が長くオスメスの羽の色が同じ鳥は、つがい関係を長く保つと考えられます。ガンは野生の鳥でも10年以上、飼育下では30年ほど生きます。カモは野生のものでは寿命(じゅみょう)が3年というデータがありますが、鉄砲で撃たれたりほかの鳥に襲われやすいので、実際に生き延びられる年数よりも早く死んでしまうのかもしれません。お互いに死ぬ確率が高いので、生きているうちに一羽でも多くの子孫を残さなければなりません。もしカモがずっと繁殖(はんしょく)の相手を変えないとすると、一度繁殖(はんしょく)の相手を失ってしまえば次から自分は繁殖(はんしょく)できないことになってしまいます。秋の渡りを無事に済ませると、オスは色彩の派手な「生殖羽」に着替えます。一羽のメスを六、七羽のオスが取り囲むようにして、一生懸命プロポーズのダンスをします。競争倍率はとても高く、オナガガモでは、黒い尾の長くピンと伸びた、体の大きいオスが一羽選ばれるようです。仲の良い夫婦を例えて「オシドリ夫婦」と表現しますが、オシドリもカモの一種で毎年結婚の相手をかえます。
結婚の相手を変えるか変えないかは、鳥の寿命とオスとメスの羽の色が同じか違うかに大きく関係しています。
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