普通の飛行では時速70Km前後、速くて時速100Kmです。
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★★ 解説 ★★
以前北海道の国道232号線、通称「オロロン街道」を走っていたとき、オオヒシクイの小さな群れが日本海上を平行して南へ飛んでいきました。恐らく道北のサロベツ原野から本州方面へ向かう最中だったと思います。そのとき車の速さは約60Kmでしたが、オオヒシクイはそれよりも早く飛んで行きました。おおよそ時速70Km程ではなかったでしょうか。無風状態で効率(こうりつ)よく飛べる速さは、だいたい時速70〜80Kmと思われます。
オオヒシクイがどのくらいの速さで飛べるかは、吹いている風の速さや向きにも影響されます。秋になって大陸の高気圧が吹き出す季節風を「雁渡し」といいますが、天気図を見るとガン類やハクチョウは典型的な秋の気圧配置の日にわたってくることが多いようです。追い風にうまく乗れば、楽に早く飛ぶことができるからです。
1994年の二月にマガンに特殊な発信機をつけて移動の様子を調べたところ、北海道からオホーツク海を飛び越えて一気にカムチャツカまで飛んでいきまいました。その距離1000Kmを移動するのにかかったのは、たったの10時間です。平均時速は100Kmに達します。オオヒシクイもマガンと同じスピードで飛べると考えても、大きな間違いはないと思います。参考までに、ハヤブサが自力で飛べる最高スピードは110Km、獲物を襲うときに急降下するときは、時速400Kmを越えるといわれています。
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